大雨のニュースが増える季節になると、川の上流や山あいに作られた巨大な砂防ダムを目にする機会が増えます。
一般的な水を溜めるダムと違って、中央に大きな隙間や格子状の穴が開いていることに気づく人も多いはず。
一見すると工事の途中のようにも思えますが、あえて水を塞き止めずに通り抜けさせる構造になっているのには明確な理由が存在します。
それは普段の水流はそのまま流し、大雨のときだけ山から押し寄せる巨大な岩や流木をしっかり引っかけて止めるため。
もし穴を塞いで完全に壁にしてしまうと、普段から流れてくる細かい砂や小石でダムの裏側があっという間に満杯になります。
そうなると、本当に大きな暴風雨が来て土砂崩れが発生した際、肝心な土砂を受け止めるスペースが残っていません。
そのため、ふだんは水や泥をスルーさせて容量を空けておき、緊急時だけに本領を発揮する仕組みを取り入れています。
宮崎市や西都市の山沿いでも、こうした自然の癖や水の流れを計算した河川工事が数多く行われてきました。
現場監督は設計図をもとに、どんな高さでどの位置に設置すれば一番効果的かを現地で細かく確認しながら作業の計画を立てます。
重機を入れて基礎を固め、頑丈なコンクリートを流し込んでいく工程は、何ヶ月もかけてじっくり進める大掛かりなもの。
自分の手掛けた仕事がそのまま街の安全な暮らしの基盤になっていることを実感できる、スケールの大きな仕事です。